動物予防医療センターとは
病 院長  渡辺 泰章動物予防医療センター院長

 30 年以上も動物医 療にかかわって来た私が想うのは、肉 体は年を重ねるごと、気付かぬうちに障害をうけてしまうという事実です。私自身も含めてすべての 動 物にあてはまります。特に人間と比べて、5倍もの早さで老化して行く動物、又、自らが苦痛や体調不良を訴える事の出来ない動物たちには重要な問題となって いるのです。
 初めて、それぞれの家庭に迎え入れられた日より、楽しい 日々はあっという間に5〜6年が過ぎてしまい、その時から動物は老化が始まっている現実を、実際 に 臨床で日々を送っている私たちは驚かされます。仔犬の時のワクチンをうった仔が、数年後にはすでに慢性疾患にかかってしまっている事が、何かの検査で見つ けられる事がよくあります。症状が出ないのでほ とんど見過ごしてしまっている事を考えますと、1年の中で特定日を決める、たとえば誕生日とか初めて家庭に迎えられた日とかに定期健診を行なう事は、動物 がより健康的で質の良い生活を送られる、つまり早期に慢性疾患を見つけることができれば、進行を遅らせる事ができたり、治療によって治す事が出来たりもし ます。
 人間社会では、日本で初めて「生活習慣病」という言葉と 「定期健康診断」、つまり人間ドックの重要性を提唱した「聖路加国際病院」の恩恵に、私自身も年 2 回の健診で数々の異常を見つけ、日常の生活習慣を考えて生活している事で、日々楽しく「医療スタッフ」として働く事が出来ている事に感謝しております。
 すべての動物は、誕生から老化に向っている事は避ける事 は出来ません。しかし、健康的で生活の質を良くすることは出来ます。
 以上の事より、アニマルメディカルセンターも世界で初の 「動物予防医療センター」を設立する事に至りました。
 地球上のすべての生き物が最後まで生活の質が良く、心豊 かな生活を送れるよう、心から願っております。